さて、あまり聞き覚えのない地名が飛び出してきたが
いったいその土地のどこに不幸にもハルヒの目がねに適う要素があったのだろうか。
「これを見なさい」
ハルヒはパソコンの前から俺をどかすと何事かマウスを操作した後ディスプレイを示した。
覗き込んでみると一件のメールが表示されている。

『雛見沢村連続怪死事件、
 この惨劇がどうして起こされたのか。
 私たちだけでは、真相にいたることがかないません。

 どうかこれを読んだあなた。
 真相を解き明かしてください。
 それだけが、私の願いです。』

「ごらんなさい、キョン。ちゃんと見てくれてる人は見てんのよ。
ちっともムダじゃなかったでしょ?やっぱ作っといてよかったわ。」
このHPを作ったのは俺なのだが。というかハルヒ、お前はこんな差出人不明の
胡乱なメールを信じて合宿先を決めたのか?
「心配はいらないわよ。ちゃんと裏は取ってあるんだから、古泉くん。」
さっそうとうなずく古泉を俺は疑問形の視線で眺めた。
なんでお前がそこで出てくるんだ。
「涼宮さんに調べ物を頼まれたもので。皆さん、これをご覧ください。」
ハルヒの後について部室に入ってきた古泉が何やら鞄からごそごそと
取り出した。週刊誌の束?それも古いものが多い。
「この週刊誌によれば雛見沢村ではここ数年、奇妙な事件が続いているようです。
工事現場監督のバラバラ殺人に始まるこれらの事件はそれ単体で見ればすでに
解決されているものばかりであり、内容の過激さはともかく、一見不審な点は
ないように見えるのですが、これらの事件には奇怪な共通項がありましてね。
それは綿流しという地元の有名な祭りの日にのみ、しかも、以前計画されていた
ダム建設に関わった人間に限って死人あるいは行方不明者が出るという点なのです。
また、未確認情報ですがこの週刊誌に記載されているもの以外にも同様の事件が
発生しているようで、結局、今年にいたるまで連綿と事件が起き続いているようで、
地元の人々は現地に伝わる古い伝承になぞらえて、オヤシロ様の祟りと呼び恐れて
いるようです。」
「というわけ。連続殺人よ!さびれた寒村よ!しかも祟りなのよ!またとない
シチュエーションじゃないの。あたしたちが行かずに誰が行くって感じだわ。
SOS団合宿inサマーにふさわしい舞台よね!」
 古泉の説明と週刊誌のおかげでどうやら事件とやらがあるらしいことは分かったが、
だからといって、このメールの信憑性がサッカー日本代表の空中戦並に危ういことには
寸分の狂いもないはずだ。大体事件解決の依頼をしながらなぜ匿名で送ってくるのか。
「バカね、キョン。依頼主には何か身元を明かせない事情があるのよ。そうね、この
メールの差出人は命を狙われていてうかつに目立った行動ができないんだわ。きっと
普段から監視されているのよ。それで、藁にもすがる思いで私たちに助けを求めてきた。うん、そうに違いないわ!」
 間違いだらけであることが高確率のハルヒの推測を聞きながら俺は残る二人の団員に
目を向けていた。長門が無反応であることは予想通りだが、案の定、朝比奈さんも予想に
たがわず不安そうな眼差しをハルヒに向けていた。ご心配要りません。万一なにかあった
としても俺と長門とついでに古泉とであなたをお守りしますよ。
「じゃあ明日!朝9時に北口駅前に集合ね!遅れないように。来なかった者は
死刑だから!」
死刑て。なんて不吉なことを。まあなにかあっても長門と古泉・・・の後ろについてる機関
とやらいれば大丈夫か。


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