期末テスト期間という死の7日間をやりすごし、補修という死の宣告も免れた俺は、SOS団に入団して2度目の夏休みに突入しようとしていた。
谷口、お前の分もしっかり楽しんでやるからな
しかし、こう意気込んでいたのも夏休み前日までだった訳で
今年の夏休みもハルヒの素っ頓狂な部活動に付き合わされることが判明した
いや、わかってはいたんだ。
ただ・・・現実から目を背けたい時ってあるだろ?なっ?
終業式を終え、SOS団夏合宿の打ち合わせに部室に向かうと既に全員が集合していた

「おっそいわよキョン!合宿費全部キョンのおごり!!」

ハルヒ、お前は俺に首をくくれと?

「冗談よ。さっさと席に着きなさい!でも今日の帰り全員に喫茶店でおごりね!」

安心した。安心したんだが・・・何故か腑に落ちない。何故だろう

「さぁ〜て!全員そろった所で今年の合宿地を発表するわ!!」

今回の合宿地は古泉含め誰にも知らされていないようだ
あぁ不安だ。そしてその不安はこのあと的中することになる

「今回の合宿地〜〜〜〜っ!それはっ!」

ハルヒが口でドラムロールを入れる

「かの有名な〜〜っ!雛見沢っ!!」

ほらな?俺って実は一般人じゃなくて予知能力者じゃないのか?

「大丈夫・・・あなたは普通の・・・ただの人間。」

ありがとう長門。でもなるべく人の心を読むのはやめてくれ

「なにこそこそ言ってるのよ!出発は明日!いいわね!」

ハルヒがビシィッ!という効果音が鳴るが如く指を指した

「ってちょっと待て!明日出発・・・というのも一応ツッコみたいが・・・雛見沢だと?おいおい、誰もが知ってるトンデモ地域じゃないか!」

雛見沢村。
俺たちが直接リアルタイムで事件のニュースを見てきたわけではないが、毎年夏の終わり頃、ひぐらしのなく頃にニュースで特集が組まれる怪事件の現場
おれたち世代でも知らぬものはいない現代日本最強のミステリースポットである
・・・あぁなるほど、ミステリースポットか。ハルヒが興味を抱かないわけないな

「昭和54年のダム工事現場監督のバラバラ殺人に始まり、以降毎年同じ日に死者と行方不明者を出し、最後には火山性ガスで全員死亡・・・確か今も立ち入り禁止になっているはずですが?」

「SOS団は何者にも縛られないのよ!!」

古泉はヤレヤレといった如く両手でお手上げのポーズをする
そしてこっちを見るんじゃない古泉


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