≪前原圭一の憂鬱≫ ≪不安≫


≪前原圭一の憂鬱≫

毎日が平凡だった。退屈を感じる神経が麻痺してるんじゃないかと思うぐらい、
それは当たり前のことになっていた。勉強も平均的、運動も平均的。
俺はいたって平凡な人間だった。毎日が平凡なのは俺が平凡だからかもしれない。
人に言われたこと、決められたことだけをこなしていく生活。色彩の無い、モノトーンの人生。
そんなある日、母親に言われて進学塾の入塾テストを受けた。
それは似たような問題を羅列しただけの学校のテストと違い、ナゾナゾのような問題ばかりで
面白かった。数日後、テストの結果と説明を受けに母親とその塾に行った。

「いいえ、お母さん。圭一君は非常に頭の良い子です。クレペリン検査とも重ねたところ、
とても興味深い結果が得られました。圭一君はですね、例えばサイコロを分解して
切り開くとどんな形になるか?この質問には瞬時に答えられるのですが、
正六面体の展開図を書け、こう言われるとなかなか答えられないのです。
つまり無味乾燥な問題には弱いのです。これがおそらく学校の成績が平均的である理由でしょう。
サイコロの例と同様の聞き方で正二十面体の展開図を求めたところ、圭一君はいとも簡単に
解いてしまいました。これは決して平凡なことではありませんよ。」
担当者の話を聞いた後、俺はその塾に入ることになった。それも選抜といわれる最上位のクラスに。
俺の生活は一変した。学校の連中は自分より下位クラスにいる。先生も両親も俺を
チヤホヤする。優越感で満たされ、期待に応えたいと思うようになった。

でもそんなのは最初だけだった。友人たちと馬が合わなくなり、次第に授業にも遅れ、
俺は居場所を失いつつあった。もうストレスでいっぱいで、平凡だったころ以下の
暗い灰色の日々だけが過ぎていった。俺の様子がおかしいことに気付いた両親は
環境を変えようとしてくれた。高校は進学校ではなく、少しだけ田舎にある
ごく普通の公立高校に行くことになった。俺も生活を変えたいと思っていた。
もっと明るく、積極的に自分の意思で色々なことをして、楽しく学校生活を送りたい。
そんな期待を胸に入った高校で、期待の枠を大きく超える存在が隣の席にいた。
忘れもしない自己紹介。強烈なインパクトが俺を圧倒し、そいつが輝いて見えた。
「ただの人間には興味がありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら
あたしのところに来なさい。以上」
涼宮ハルヒとの出会いは、俺の人生を大きく変えた。


≪不安≫

こんなこと、今まで一度もなかったはずだ。
彼はいったい何者だろう。彼は何をもたらすのか。
期待していいものなのか、危険分子と捉えるべきか。
分からないということが、私を一番苛立たせる。


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